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【簡単解説】高圧ガス運搬・輸送の基礎知識
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高圧ガスとは?
高圧ガスとは、空気のような気体を強い圧力で押し込んだり、冷やして液体にしたりして、小さな容器にたくさん詰め込んだガスのことです。この状態だと便利に使える一方で、爆発や事故の危険もあるため、安全な扱いが必要になります。
高圧ガスの主な用途
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航空・宇宙
輸入ガス、ロケットなど
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工場
研究、開発、素材生産など
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病院
滅菌ガス、吸入用酸素、レーシックなど
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食品
食品ガス、炭酸飲料、ドライアイスなど
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イベント
コンサート、演出機材、ガス灯 など
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学校
実験、研究、イベントなど
高圧ガスの種類
高圧ガスには性質や状態によってさまざまな種類があり、用途や取り扱い方法にも大きな違いがあります。
「状態」と「性質」という2つの観点から代表的な分類をご紹介します。
状態による3つの分類
高圧ガスは、常温常圧での状態や処理方法により「圧縮ガス」「液化ガス」「溶解ガス」に大きく分類されます。
それぞれの状態によって、保管・輸送時の注意点も異なります。
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圧縮ガス
酸素、窒素、水素など
気体を高い圧力でそのまま圧縮して容器に詰めたガス。
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液化ガス
プロパン、アンモニア、炭酸ガスなど
気体を冷却または圧力をかけて液体にしたガス。
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溶解ガス
アセチレンなど
気体を溶剤(アセトンなど)に溶かして圧力容器に詰めたガス。
性質による5つの分類
ガスの性質に着目すると、「可燃性ガス」「毒性ガス」「支燃性ガス」「不活性ガス」の4種類に分けられます。性質の違いは災害リスクや法規制にも直結するため、正しい理解と取り扱いが求められます。
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可燃性ガス
水素、アセチレン、LPGなど
火がついて燃える性質をもつガス。
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毒性ガス
アンモニア、塩素、シアン化水素など
人体に有害・有毒な成分を含むガス。
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支燃性ガス
酸素、笑気ガスなど
自らは燃えないが燃焼を助けるガス。
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不活性ガス
窒素、アルゴンなど
燃えず、他のものを燃やすこともない、安全で反応しにくいガス。
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特定高圧ガス
モノシラン、ホスフィンなど
災害や公共の安全に影響を及ぼす恐れのあるガス
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「高圧ガスの容器」基本ルール
高圧ガスを収納する容器には厳格なルールが定められており、高圧ガス容器に関する基本的なルールを解説します。
容器の色によるガスの識別
高圧ガスの種類は、容器に塗られた色によって識別できるようになっています。
これは一目で中身を把握できるようにするための重要なルールで、現場での誤使用を防ぐ役割を果たしています。

高圧ガスの 種類 |
容器の色 | 文字の色 | その他 |
---|---|---|---|
酸素ガス | 黒 | 白 | |
水素ガス | 赤 | 白 | 白字で「燃」 |
液化炭酸ガス | 緑 | 白 | |
液化アンモニアガス | 白 | 赤 | 赤字で「燃」、黒字で「毒」 |
液化塩素ガス | 黄 | 白 | 黒字で「毒」 |
アセチレンガス | 褐色 | 白 | |
可燃性ガス | ねずみ色 | 赤 | 赤字で「燃」 |
可燃性、毒性ガス | ねずみ色 | 赤 | 赤字で「燃」、黒字で「毒」 |
毒性ガス | ねずみ色 | 白 | 黒字で「毒」 |
その他のガス | ねずみ色 | 白 |
「高圧ガスの保管」基本ルール
高圧ガス容器を安全に保管するには、直射日光や高温、転倒などのリスクを避けることが基本です。
容器ごとの性質を理解し、適切な場所と方法で管理することが事故防止につながります。
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転倒・転落を防ぐ
対策チェーンやベルトで固定する 等
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温度を40℃以下に保つ
対策直射日光を避ける 等
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火気から2m以上離す
対策喫煙、溶接・溶断作業などを厳禁とする 等
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腐食を防ぐ
対策湿気や水気を避ける 等
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バルブを保護する
対策移動中や保管中は、必ずキャップをしておく 等
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「高圧ガスの輸送」基本ルール
高圧ガスの輸送・移動には、万が一の事故や漏洩に備えた厳格なルールが設けられています。
適切な積載方法や表示の徹底、緊急時の対応準備など、安全かつ法令順守の輸送を行うために必要な基本事項を押さえておくことが重要です。
車両への積載方法
高圧ガス容器を車両に積載する際は、転倒・転落の防止措置を講じ、しっかりと固定することが義務付けられています。

警戒標の掲示義務
高圧ガスを積載した車両には、「高圧ガス」や「火気厳禁」などの警戒標を見やすい位置に掲示する必要があります。
これは周囲への注意喚起だけでなく、万が一の事故発生時に緊急対応を迅速に行うためにも重要です。

緊急時の対応資料
「イエローカード」の携帯
高圧ガスを輸送する際は、万が一の事故や災害時に備えて、緊急連絡先や応急処置の内容を記載した「イエローカード」を携帯しなければなりません。
運転者が迅速かつ的確に対応できるよう、車両内の見やすい場所に備えておくことが求められます。

防災工具の携帯義務
高圧ガスを輸送する際は「防災工具」の携帯が高圧ガス保安法により義務付けられています。
【防災工具の主な内容(一例)】
・赤旗
・懐中電灯
・ロープ
・車輪止め
・漏洩検知剤
・皮手袋 など

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「高圧ガス」に関する
法律と国家資格
高圧ガスは製造・保管・輸送・消費に至るまで、厳格な法律と資格制度によって管理されています。
高圧ガスを扱ううえで知っておきたい関連法規と、必要となる国家資格について解説します。
「高圧ガス」に関する法律
高圧ガスの取り扱いは「高圧ガス保安法」とその下位規則により、安全基準が定められています。
また、輸送に関しては、ガス積載車両の構造や設備を定める「道路運送車両法」、危険物との混載を禁止した「消防法」も関係し、複数の法令に基づく安全管理が求められます。
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高圧ガス保安法
高圧ガスの製造・貯蔵・販売・輸送・消費に関する基本的なルールを定めた法律。
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道路運送車両法
道路運送車両法では、高圧ガスの性質に応じた車両の構造・装備が義務付けられている。
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消防法
消防法において、高圧ガスと危険物の同一車両での積載(混載)は禁止されている。
「高圧ガス」に関する主な国家資格
高圧ガスを扱うには作業内容やガスの種類に応じて国家資格が必要です。
「製造保安責任者」や「移動監視者」などがあり、専門知識と実務経験が求められます。
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高圧ガス製造保安責任者
(甲種・乙種・丙種など)高圧ガスを扱う事業所は、「保安責任者」の選任が義務付けられており、ガスの種類や設備規模に応じて区分が異なる。
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高圧ガス移動監視者
高圧ガスを一定数量以上輸送する際は、車両に同乗することが義務づけられている。
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高圧ガス容器検査員
高圧ガス容器は定期的な検査が必要で、その検査を行う国家資格者です。安全に使えるかを確認・判断します。
参考:
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