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高圧ガスは自社で輸送できる?|法令違反にならないためのポイント3つ

高圧ガスは自社で輸送できる?|法令違反にならないためのポイント3つ

本記事では「高圧ガス保安法で定められている高圧ガス」を他拠点に自社で輸送することを検討している担当者の方に向けて、法令違反にならないための3つの主要なポイントについてわかりやすく且つ、網羅的に解説しています。

結論から述べますと、

自社で使用する高圧ガスを自社の車両で運ぶことは、法律上問題ありません。

運送事業の許可(緑ナンバー)も不要です。

ただし、高圧ガス保安法における「移動」のルールは適用されるため、運送業者と同様の安全基準を満たす必要があります。


なお、「高圧ガス輸送」の概要については下記記事をご覧ください。

1.【ポイント①】有資格者(高圧ガス移動監視者)が必要かどうかを確認する

高圧ガスを自社で輸送する場合は、「まず有資格者(高圧ガス移動監視者)の乗車が必要かどうか」を確認する必要があります。

判断のポイントとなるのは、積載する高圧ガスの「種類」と「量」です。
上記条件によって、「有資格者(高圧ガス移動監視者)を同乗させる必要があるかどうか」が変わります。

なお、本記事では高圧ガス移動監視者の資格が必要となる境界線の数量を「移動基準(基準値)」と記載します。

1-1.高圧ガス移動監視者が必要になる「高圧ガスの種類と数量」 一覧

下記の数量「以上」の高圧ガスを一度に運ぶ場合、国家資格である「高圧ガス移動監視者」講習修了者の乗車が法令で義務付けられています

輸送時に有資格者が必要になる高圧ガスの種類と数量は、以下のとおりです。

【高圧ガス移動監視者が必要になる「高圧ガスの種類と数量」 一覧】
ガスの状態 対象となるガスの種類 移動基準(基準値)
圧縮ガス 可燃性ガス、酸素 容積300m³以上
毒性ガス 容積100m³以上
液化ガス 可燃性ガス、LPガス、酸素 質量3,000kg以上
毒性ガス 質量1,000kg以上
液化水素 圧縮水素スタンドの貯槽に充填するもの
特殊高圧ガス すべて(モノシラン、ジシラン、アルシン、ホスフィン、ジボラン、モノゲルマン、セレン化水素) 数量に関係なく必要

(参考)高圧ガス保安協会|高圧ガス移動監視者講習

上記の高圧ガス・数量を高圧ガス移動監視者が乗車せずに輸送した場合は、法令違反となります。

1-2.高圧ガス移動監視者が不要なケース 一覧

高圧ガス移動監視者が不要となる主なケースは、大きく分けて「移動基準(基準値)未満の数量の場合」と「特定の高圧ガス(不活性ガスなど)の場合」です。

1-2-1. 少量運搬|数量が移動基準(基準値)未満の場合

以下の移動基準(基準値)未満であれば、対象の高圧ガスであっても高圧ガス移動監視者の乗車は不要になります。

【高圧ガス移動監視者が不要となる移動基準(基準値)】
ガスの状態 対象となるガスの種類 移動基準(基準値)
圧縮ガス 可燃性ガス、酸素 容積300m³未満
毒性ガス 容積100m³未満
液化ガス 可燃性ガス、LPガス、酸素 質量3,000kg未満
毒性ガス 質量1,000kg未満

1-2-2.ガスの種類が対象外の場合

以下の高圧ガスは、基本的に高圧ガス移動監視者の同乗義務はありません
数量が多くても不要です。

【高圧ガス移動監視者が不要となるガスの種類】
種類 代表例 理由
不活性ガス 窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウム など 可燃性・毒性・酸素のいずれにも該当しないため

高圧ガスの種類について、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

「高圧ガス移動監視者が必要な量か判断できない」
「コンプライアンス違反のリスクは絶対に避けたい」

とお考えなら、専門の輸送業者への委託が確実です。
例えば、全国対応している高圧ガス輸送の「サクラ運送」では、高圧ガスの種類や数量に応じた最適な輸送プランをご提案します。
法令違反のリスクをゼロにしたい方は、まず一度ご相談ください。

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2.【ポイント②】「輸送ルール」と「数量に応じた要件」を把握する

高圧ガスの輸送には「積載量に応じたルール」があります。
「高圧ガス移動監視者が必要な量(移動基準)までいかなければ大丈夫」と考えがちですが、実は移動基準に満たない少量輸送であっても、守るべき輸送ルールは複数存在します。

【数量ごとのルール 一覧】
項目 少量
(移動基準の1/2未満)
中量
(移動基準の1/2以上)
大量
(移動基準以上)
高圧ガス移動監視者が
乗車する
不要 ※1 不要 ※1
高圧ガスボンベを
固定する
保護キャップを
装着する
混載制限を
守る
換気を
確保する
車両表示を
行う
不要
消火器・資材・
工具等を携行する
不要
イエローカードを
携行する
不要

※1:特殊高圧ガスの場合は、数量に関わらず移動監視者の同乗が必要です。

道路上での検問や立入検査時の主要な確認項目となりますので、注意が必要です。
それぞれについて解説します。

2-1.高圧ガスボンベを固定する

万が一の急ブレーキや衝突事故の際、ボンベが凶器とならないよう確実に固定する必要があります。

具体的にはロープやラッシングベルト等を使用し、荷台やフレームに強固に縛り付けます
「ただ置いてあるだけ」「荷物の隙間に挟んだだけ」では法令違反となります。

2-2.保護キャップを装着する

移動中のボンベには、バルブを守るための「保護キャップ」の装着が義務付けられています

バルブがむき出しの状態だと、落下や衝突時に破損し、ガスが噴出する大事故につながる恐れがあるためです。
使用直後であっても、移動時は必ずキャップを取り付けなければなりません。

2-3.混載制限を守る

高圧ガスはガスの種類や組み合わせによって、同じ車両に積載できない場合(混載禁止)があります
誤った混載は法令違反だけでなく、重大事故につながるおそれがあるため注意が必要です。

2-3-1.混載が禁止されている組み合わせ

例えば、下記のような組み合わせは、同一車両への積載が認められていません。

混載が禁止されている例

  • 高圧ガスと消防法で規制される危険物(例:ガソリン、灯油、ベンゼンなど)
  • 塩素とアセチレン、アンモニア、水素

2-3-2.条件付きで混載が認められる組み合わせ

以下の組み合わせは、「容器のバルブ同士が向き合わないように配置する」、あるいは「適切な隔壁を設ける」などの安全対策を講じることで、混載が可能となります。

条件付きで混載が認められる例

  • 酸素と可燃性ガス(例:アセチレン、水素、アンモニアなど)

複数のガスや他の物品を同時に輸送する場合は、混載禁止規定に抵触しないか確認が必要です。

2-4.換気を確保する

万が一ガスが漏洩した際、車内に滞留しないよう通気性を確保する必要があります。

密閉されたワンボックスカーやバン等の「箱車」を使用する場合は、窓を開けるか通気口のある車両を使用するとよいでしょう。

2-5.車両表示を行う

高圧ガスを輸送する際、移動基準(基準値)の半分の量以上になる場合、車両の見やすい箇所に「高圧ガス」という警戒標(横寸法は車幅の30%以上など)を掲示しなければなりません。

「うっかり積みすぎて表示なしで走ってしまった」というケースは検挙対象となりますので、積載量は常に把握しておく必要があります。

2-6.消火器・資材・工具等を携行する

移動基準(基準値)の半分以上の量から「消火器・資材・工具等の携行」が義務化されます。
万が一の事故拡大を防ぐための「緊急防災工具」を車両に常備しなければなりません。

緊急防災工具 一例

  • 消火器:ガスの量に応じた能力単位(B-10等)を持つもの。
  • 資材・工具:赤旗、赤色合図灯(懐中電灯)、メガホン、ロープ、車止め、漏洩検知剤、革手袋など。

2-7.イエローカードを携行する

事故発生時の処置方法を記載した書面(イエローカード等)の携行も、移動基準(基準値)の半分以上の量から義務付けられています。

運転席の手の届く場所に保管し、ドライバー自身も記載内容(毒性の有無や消火方法など)を理解しておく必要があります。


上記のとおり、自社輸送には「見落としがちな細かいルール」や「必須の携行品」が存在します。

「備品を揃えるのが手間だ」「この量で表示が必要か判断に迷う」という場合は、無理に自社対応せず全国対応可能な高圧ガス輸送のプロ「サクラ運送」へご相談ください。

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3.【ポイント③】安全体制を確保できるのか

最後に検討すべきは「リスク管理」です。

外部の輸送業者に委託する場合、輸送中の安全管理責任は原則として輸送業者が負います。
一方、自社輸送を行う場合は、車両の設備不備や積載不備、万が一の事故対応など、すべての責任が自社にあります。

自社輸送を選択する場合、以下のような体制確保が前提となります。

【確保すべき安全体制の例】
項目 内容
車両 道路運送車両法および高圧ガス保安法に適合した車両(積載荷重、構造等)を用意できているか
ドライバー ガスの特性を理解し、緊急時(ガス漏れや火災)に適切な一次処置ができる知識があるか。
緊急連絡体制 事故発生時に現場から社内、および関係機関(消防・警察・災害防止センター)へ速やかに連絡できるフローが決まっているか。

上記体制を自社で確実に構築・維持できない場合、安全面のリスクは大きくなります。

特に高圧ガスは、ひとたび事故が発生すると人的・物的被害が甚大となる可能性があるため、「コスト削減」や「柔軟な運用」だけで自社輸送を選択するのは危険です。

安全管理体制の整備にかかる負担や責任の重さを十分に認識したうえで、自社輸送と外部委託のどちらが自社にとって最適かを慎重に判断するとよいでしょう。

全国対応可能な高圧ガス輸送の専門家集団「サクラ運送」では、安全確実に高圧ガスを輸送することはもちろん、「緊急性の高い依頼」など対応率の高さに定評があります。

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