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【わかりやすく解説】可燃性ガスとは|定義や種類・爆発範囲一覧、輸送時の注意点等について

【わかりやすく解説】可燃性ガスとは|定義や種類・爆発範囲一覧、輸送時の注意点等について

本記事では高圧ガスを性質で分類したときの一つ「可燃性ガス」について、定義や種類、爆発範囲、輸送時の注意点等をわかりやすく解説します。

なお、「高圧ガスの種類」については下記記事をご覧ください。

1.可燃性ガスとは

可燃性ガス

可燃性ガスとは、

「空気中または酸素中で燃焼(光や熱を発して激しく酸化)しやすい性質を持つ気体」のことです。

可燃性ガスには身近なプロパンガスや水素のほか、工場などで使用されるアセチレンなど、さまざまな種類があります。

1-1.可燃性ガスの定義

一般高圧ガス保安規則では、下記条件を満たすガスを「可燃性ガス」と定義しています。

可燃性ガスの定義

  • 爆発下限界が10%以下のガス
  • 爆発下限界と爆発上限界の差が20%以上のガス

1-1-1.爆発下限界と爆発上限界について

「爆発下限界」と「爆発上限界」とは可燃性ガスが空気中に混ざったとき、着火によって燃焼・爆発が起こる濃度範囲の下限と上限のことです。

  • 爆発下限界:爆発が起こり始める最低濃度
  • 爆発上限界:爆発が起こりうる最高濃度

この爆発下限界から爆発上限界までが、燃焼・爆発が起こる濃度範囲であり「爆発範囲」と呼ばれます。

ガス濃度が爆発下限界より低い場合や、爆発上限界より高い場合は、爆発に必要な条件を満たさないため、通常は爆発しません。

そのため、名称だけで危険性を判断するのではなく、爆発範囲も踏まえて取り扱うことが重要です。

1-2.爆発が起きる3つの条件

可燃性ガスはさまざまな用途で利用されており日常生活では欠かせないガスの一つですが、基本的に以下の3つの条件がすべて揃ったときに爆発します。

<爆発が起きる3つの条件>

  • 可燃性ガスが爆発範囲内の濃度で存在する
  • 支燃性ガス(酸素・空気)が共存している
  • 着火源(火花・静電気・高温など)がある

ただし、アセチレンや酸化エチレンのように分解爆発性を持つガスは、条件によって支燃性ガスがなくても爆発する場合があるため、個別の性質を確認することが重要です。

2.可燃性ガスの主な種類と爆発範囲 一覧

「一般高圧ガス保安規則」に記載されている可燃性ガスを一覧形式で紹介します。

参考:一般高圧ガス保安規則

2-1.身近な用途・エネルギー関連の可燃性ガス 一覧

都市ガス・LPガス・燃料電池など、日常生活やエネルギー用途で広く使われるガスは、以下のとおりです。

【身近な用途・エネルギー関連の可燃性ガス 一覧】
ガス名 化学式 爆発下限界(vol%) 爆発上限界(vol%)
アンモニア NH3 15.0 28.0
エタン C2H6 3.0 12.5
ブタン C4H10 1.5 8.5
プロパン C3H8 2.1 9.5
メタン CH4 5.0 15.0
一酸化炭素 CO 12.5 74.0
水素 H2 4.0 75.0
硫化水素 H2S 4.0 44.0

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト

2-2.製造業・化学工業関連の可燃性ガス 一覧

溶接・化学合成・樹脂製造など、産業現場で広く使われるガスは、下記のとおりです。
なかでも、アセチレン・酸化エチレンは「分解爆発性」を持ち、支燃性ガスなしでも爆発する場合があるので、注意が必要です。

【製造業・化学工業関連の可燃性ガス 一覧】
ガス名 化学式 爆発下限界(vol%) 爆発上限界(vol%)
アクリロニトリル C3H3N 3.0 17.0
アクロレイン C3H4O 2.8 31.0
アセチレン C2H2 2.5 100.0
アセトアルデヒド CH3CHO 4.0 60.0
エチルアミン C2H5NH2 3.5 14.0
エチルベンゼン C6H5C2H5 1.0 6.7
エチレン C2H4 2.7 36.0
クロロメタン CH3Cl 7.1 18.5
シアン化水素 HCN 5.6 40.0
シクロプロパン C3H6 2.4 10.4
ジメチルアミン C2H7N 2.8 14.4
トリメチルアミン (CH3)3N 2.0 11.6
ブタジエン C4H6 1.1 16.3
ブチレン C4H8 1.8 9.7
プロピレン C3H6 2.4 10.3
ベンゼン C6H6 1.2 8.6
モノメチルアミン CH5N 4.9 20.7
塩化エチル C2H5Cl 3.6 14.8
酸化エチレン C2H4O 3.0 100.0
塩化ビニル C2H3Cl データなし データなし
酸化プロピレン C3H6O 2.1 37.0
二硫化炭素 CS2 0.6 60.0

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト

2-3.半導体・特殊用途関連の可燃性ガス 一覧

半導体製造や特殊化学プロセスで使われるガスは下記のとおりです。
取扱量は少ないものの、ホスフィンのような空気接触だけで「自然発火」する危険性が高いガスもあり、高度な管理が必要です。

【半導体・特殊用途関連の可燃性ガス 一覧】
ガス名 化学式 爆発下限界(vol%) 爆発上限界(vol%)
アルシン AsH3 4.5 78.0
ジシラン Si2H6 1.0 100.0
ジボラン B2H6 0.8 88.0
セレン化水素 H2Se 4.0 99.9
ホスフィン PH3 1.6 約100
モノゲルマン GeH4 2.8 98.0
モノシラン SiH4 1.37 100.0

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト

2-4.その他の可燃性ガス

一覧で紹介したもの以外にも、「爆発下限界が10%以下のガス」や「爆発下限界と爆発上限界の差が20%以上のガス」は、可燃性ガスに分類されます。

使用するガスごとに爆発範囲や性質が異なるため、事前に特性を確認したうえで取り扱うことが重要です。

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3.可燃性ガスを輸送する際の注意点

可燃性ガスを輸送する際は、特に下記の点に注意しなければなりません。

可燃性ガスを輸送する際の注意点

  • 「高圧ガス移動監視者」の同乗が必要になる場合がある
  • 他の高圧ガスや危険物との混載に注意する
  • 安全な輸送ルートを選ぶ

それぞれの注意点について解説します。

3-1.「高圧ガス移動監視者」の同乗が必要になる場合がある

可燃性ガスを一定量以上輸送する場合は、高圧ガス移動監視者の有資格者が同乗しなければなりません。

対象となる数量は、以下のとおりです。

<高圧ガス移動監視者の同乗が必要になる量>

  • 圧縮ガス(可燃性):300m³以上
  • 液化ガス(可燃性):3,000kg以上

同乗が必要になる理由は、輸送中に異常や事故が発生した際に、適切な対応を行うためです。
輸送量が多いほど事故時の影響も大きくなるため、事前に対象数量を確認しておきましょう。

3-2.他の高圧ガスや危険物との混載に注意する

可燃性ガスを輸送する際は、他の高圧ガスや危険物と混載する場合、注意が必要です。
組み合わせによっては、火災や爆発の危険性が高まるおそれがあります。

<混載時の主な注意点>

  • 支燃性ガスと一緒に運ばない
  • 消防法で定められた危険物と一緒に運ばない
  • 容器のバルブを相互に向き合わせないように積載する、または障壁を設ける

特に燃焼を助ける支燃性ガスや、消防法上の危険物と一緒に運ぶことは大きなリスクにつながります。
そのため、積載方法や容器の配置にも十分配慮し、安全な状態で輸送することが必要です。

3-3.安全な輸送ルートを選ぶ

可燃性ガスの輸送では積載方法だけでなく、どのルートを通るかも重要です。

輸送ルートを決める際のポイント

  • 学校・病院などの近辺や、住宅が密集する地域を避ける
  • 交通量が少なく、安全性の高い道路を選ぶ

万が一事故が発生した場合の被害を最小限に抑えるためです。
できるだけ周囲への影響が少ない経路を選び、安全性の高い輸送計画を立てる必要があります。

また、食事などのやむを得ない場合を除き、原則として運転者または移動監視者は車両から離れないことも重要です。


なお、高圧ガスの「自社輸送」や「輸送時の法律」については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

サクラ運送は高圧ガス輸送の専門業者として、可燃性ガスの性質に応じた適切な輸送に対応しています。
可燃性ガスなど高圧ガスの輸送についてお困りの方は、ぜひサクラ運送へご相談ください。

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