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危険物は自社で輸送できる?|法令違反にならないためのポイント3つ

危険物は自社で輸送できる?|法令違反にならないためのポイント3つ

本記事では「消防法で定められている危険物」を他拠点に自社で輸送することを検討している担当者の方に向けて、法令違反にならないための3つの主要なポイントについてわかりやすく且つ、網羅的に解説しています。

結論から述べますと、

自社で使用するガソリンや硝酸といった危険物を、自社の車両で運ぶこと自体は法律上可能です。


また、自社の荷物を自社で運ぶだけであれば、運送事業の許可(緑ナンバー)も不要です。

ただし、消防法における「運搬」および「移送」のルールは適用されるため、輸送業者と同様に、安全基準・表示・携行品などの要件を満たして運ぶ必要があります。


なお、「危険物の概要」については下記記事もあわせてご確認ください。

1.【ポイント①】有資格者(危険物取扱者)が必要かどうかを確認する

危険物を自社で輸送する場合、まずは「有資格者(危険物取扱者)の乗車」が必要かどうかを確認します。

判断するポイントとしては、「タンク車で移送する」か「容器(ドラム缶等)で運搬する」かです。

1-1.危険物取扱者の乗車が必要になるケース

消防法では、危険物をタンクローリーなどの「移動タンク貯蔵所」に入れて運ぶことを「移送」と呼びます。

タンクローリーなどで運ぶ場合、数量に関わらず「危険物取扱者」の有資格者が乗車(運転または同乗)しなければなりません。

危険物取扱者の乗車が必要になるケース

  • タンクローリーで運ぶ場合
  • タンクコンテナ等を固定して運ぶ場合

<図 移送の例>

危険物取扱者の乗車が必要になるケース

上記のケースで危険物取扱者が乗車せずに輸送した場合は、法令違反となります。

1-2.危険物取扱者の乗車が不要になるケース

一方で、ドラム缶や一斗缶、ペール缶、高圧ガス容器などの「容器」に入れてトラック等で運ぶことを、消防法では「運搬」と呼びます。

容器に入れて運ぶ「運搬」であれば、たとえ大量の危険物を積載していたとしても、危険物取扱者の乗車は不要です。

危険物取扱者の乗車が不要になるケース

  • ドラム缶やペール缶等に入った危険物をトラックで運ぶ場合
  • 大量の危険物を運ぶ場合でも、容器での運搬であれば資格は不要

<図 運搬の例>

危険物取扱者の乗車が不要になるケース

ただし、「危険物取扱者の乗車」が不要だからといって、「知識なし」で運んでよいわけではありません。
次章以降で説明するとおり、積載方法・混載制限・表示・消火器などのルールを厳格に守る必要があります。

「危険物取扱者が必要な量か判断できない」
「コンプライアンス違反のリスクは絶対に避けたい」

とお考えなら、専門の輸送業者への委託が確実です。
例えば、全国対応している危険物輸送の「サクラ運送」では、危険物の種類や数量に応じた最適な輸送プランをご提案します。
法令違反のリスクをゼロにしたい方は、まず一度ご相談ください。

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2.【ポイント②】「輸送ルール」と「量に応じた要件」を把握する

危険物取扱者の乗車が不要な「容器による輸送(運搬)」であっても、運び方には明確なルールがあります。
特に重要になるのが、消防法の基準である「指定数量」です。

危険物ごとに「指定数量」が定められており、指定数量の「1倍以上」を運ぶかどうかで、車両表示や消火器携行などの要件が厳しくなります。

【数量ごとのルール 一覧】
項目 指定数量の1倍未満 指定数量の1倍以上
危険物取扱者が
乗車する
不要 不要
(ドラム缶等の容器に入れた「運搬」の場合)
容器の基準適合・表示を守る ◎ ◎
積載した容器を固定する ◎ ◎
混載制限を
守る
◎ ◎
車両表示を
行う
不要 ◎
消火器を携行する 不要 ◎
イエローカードを
携行する
不要 推奨

道路上での検問や立入検査時の主要な確認項目となりますので、注意が必要です。
それぞれについて解説します。


なお、各危険物の指定数量や計算方法については下記記事で、詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

2-1.容器の基準適合・表示を守る

危険物輸送は、まず「容器が適正か」が大前提です。
適正な容器を使用しないと、たとえ少量でも事故リスクが上がり、立入時にも指摘されやすくなります。

チェックすべきポイントは主に以下のとおりです。

容器のチェックポイント

  • 漏えいしない構造である:ふた・栓の密閉、パッキン劣化なし、亀裂・へこみなし
  • 材質が内容物に適合している:溶剤で溶ける容器や、腐食する容器は不可
  • 正しく表示する:内容物が特定できる名称、注意表示などを記載
  • 充填率を適正にする:詰めすぎで膨張・漏えいが起きない
  • 二次容器・受け皿を検討する:漏えい時に車両に広がらない工夫

特に第4類(引火性液体)などは、わずかな漏えいでも蒸気が引火源に到達すると火災につながるため、「運べる」より先に「漏らさない」が最優先です。

2-2.積載した容器を固定する

急ブレーキやカーブで容器が動けば、「転倒→破損→漏えい→引火」と事故が連鎖します。
そのため危険物の運搬では、「固定」が必須です。

容器を固定する際のポイント

  • ロープ・ラッシングベルト等で荷台・フレームに確実に固定する
  • ドラム缶は転がり防止(楔・ストッパー)を併用する
  • 容器同士の接触を避けるため、緩衝材・仕切り板を使用する
  • 「置いただけ」「荷物の隙間に挟んだだけ」は大事故の原因となる

また、トラックではなく箱車(バン等)を使う場合も、車内で動かないようにラッシングレール等で固定し、倒れた容器がドア開閉時に落下しない配置にします。

2-3.混載制限を守る

危険物は類(第1類〜第6類)によって性質が異なります。

危険物の種類

  • 第1類:酸化性固体(塩素酸塩類、無機過酸化物など)
  • 第2類:可燃性固体(鉄粉、硫黄など)
  • 第3類:自然発火性物質・禁水性物質(カリウム、黄りんなど)
  • 第4類:引火性液体(ガソリン、軽油など)
  • 第5類:自己反応性物質(有機過酸化物、ニトロ化合物など)
  • 第6類:酸化性液体(過塩素酸、硝酸など)

参考:総務省消防庁|「危険物」とは?

接触すると発火・爆発する組み合わせがあるため、類の異なる危険物を同じ車両に積載すること(混載)は原則禁止されています。
ただし、一部の組み合わせに限り、混載が認められています。

混載の可否については、以下のとおりです。

【危険物の混載の可否 一覧】
第1類 第2類 第3類 第4類 第5類 第6類
第1類
酸化性固体
✕ ✕ ✕ ✕ 混載可
第2類
可燃性固体
✕ ✕ 混載可 混載可 ✕
第3類
自然発火性物質等
✕ ✕ 混載可 ✕ ✕
第4類
引火性液体
✕ 混載可 混載可 混載可 ✕
第5類
自己反応性物質
✕ 混載可 ✕ 混載可 ✕
第6類
酸化性液体
混載可 ✕ ✕ ✕ ✕

参考:危険物の規制に関する規則|別表第4(第46条関係)

なお、指定数量の10分の1以下の危険物については、上表の内容は適用されません。

2-4.遮光・防水・温度管理を行う

危険物輸送では、性質によって必要な対策が異なります。
「全部同じ扱い」で運ぶと、事故や品質劣化の原因となるので、以下のような対策が必要です。

【必要な対策の例】
対策 目的 危険物の例
遮光(シート等) 日射による温度上昇・劣化の抑制 第1類、第3類、第4類、第5類、第6類
防水(シート等) 水濡れ反応・発熱・危険反応の防止 第1類(過酸化物等)、第2類(鉄粉等)、第3類(禁水性物品)
温度管理(保冷等) 分解・反応の暴走防止 第5類(55℃以下に保つ)

2-5.車両表示を行う

積載する危険物の総量が「指定数量の1倍以上」となる場合、車両の前後の見やすい箇所に、黒地に黄色の文字で「危」と書かれた標識(0.3m平方以上)を掲げなければなりません。

「うっかり積みすぎて表示なしで走ってしまった」というケースは検挙対象となるため、積載量は常に把握しておく必要があります。

2-6.消火器を携行する

指定数量の1倍以上の場合、危険物の種類に応じた能力単位を持つ消火器の設置が義務付けられます。一般の乗用車用ではなく、業務用の確実な消火能力を持つものを備える必要があります。

加えて、「積むだけ」でなく、

  • 消火器をすぐ取れる位置に置く(奥に埋もれると意味がありません)
  • ドライバーが使い方を理解している(ピンの抜き方・噴射距離等)

といった点も重要です。

2-7.イエローカードを携行する

事故発生時の処置方法を記載した書面(イエローカード)の携行は、法的な完全義務ではありません。
ただし、万が一の事故等の際に運転手や消防隊等の安全を確保するため、携行した方がよいでしょう。

運転席の手の届く場所に保管し、ドライバー自身も記載内容(応急措置・禁忌・消火方法等)を理解しておく必要があります。


上記のとおり、自社輸送には「見落としがちな細かいルール」や「必須の装備」が存在します。

「備品を揃えるのが手間だ」「この量で『危』マークが必要か計算できない」という場合は、無理に自社対応せず全国対応可能な危険物輸送のプロ「サクラ運送」へご相談ください。

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3.【ポイント③】安全体制を確保できるのか

最後に検討すべきは「リスク管理」です。
外部の輸送業者に委託する場合、輸送中の安全管理責任は原則として輸送業者が負います。

一方、自社輸送を行う場合は、「車両の設備不備」「積載不備」「万が一の事故対応」など、すべての責任が自社にあります。

自社輸送を選択する場合、以下のような体制確保が前提となります。

【確保すべき安全体制の例】
項目 内容
車両
  • 消防法等の基準に適合した車両(平ボディやバン等)であるか。
ドライバー
  • 運搬する危険物の特性(引火点や毒性など)を正しく理解しているか。
  • 万が一の漏えいや火災時に、適切な「初期消火」や「応急処置(拡散防止など)」ができる知識があるか。
緊急連絡体制
  • 事故発生時に現場から社内、および関係機関(消防・警察)へ速やかに連絡できるフローが決まっているか。
  • イエローカード(緊急連絡カード)の内容に基づき、冷静に対応できる訓練ができているか。

上記体制を自社で確実に構築・維持できない場合、安全面のリスクは大きくなります。
特に危険物は、ひとたび火災や流出事故が発生すると、環境汚染や近隣への延焼など、被害が甚大となる可能性があります。

したがって、「コスト削減」や「柔軟な運用」だけで自社輸送を選択するのは危険です。

安全管理体制の整備にかかる負担や責任の重さを十分に認識したうえで、自社輸送と外部委託のどちらが自社にとって最適かを慎重に判断するとよいでしょう。


全国対応可能な危険物輸送の専門家集団「サクラ運送」では、安全確実に危険物を輸送することはもちろん、「緊急性の高い依頼」など対応率の高さに定評があります。

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