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【わかりやすく解説】危険物第一類「酸化性固体」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

【わかりやすく解説】危険物第一類「酸化性固体」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

本記事では、消防法で定められている危険物第一類「酸化性固体」について、性質や種類・指定数量、注意点などをわかりやすく解説します。

なお、「危険物の種類」については下記記事をご覧ください。

1.危険物第一類「酸化性固体」とは

危険物第1類 酸化性固体

消防法で第一類に分類される「酸化性固体」は、

それ自体は燃えないものの、他の物質を燃えやすくしたり、燃焼を強めたりする性質を持つ固体です。

以下に、その性質を解説します。

1-1.第一類「酸化性固体」の性質

酸化性固体の主な性質は以下のとおりです。

【第一類「酸化性固体」の性質】
特徴 説明
不燃性だが、火災を強める 酸化性固体自体は燃えないが、大量の酸素を含んでおり、他の物質(可燃物)を激しく燃焼させる働きを持つ。
可燃物と混ざると危険性が高まる 木材・紙・布などの可燃物と接した状態で、熱・衝撃・摩擦が加わると、火災や爆発につながるおそれがある。
一部、空気中の水分を吸収して自ら溶ける性質(潮解性)がある 空気中の水分を吸収して溶けた液が木材や紙などにしみ込み、その後乾燥すると、火災や爆発の危険が高まるおそれがある。
見た目で危険とわかりにくい 多くは白色または無色の粉末・結晶で、食塩や砂糖によく似ており、見た目では危険物として認識されにくい。

物質によっては摩擦や衝撃に敏感なものもあり、取り扱いには十分な注意が必要です。

1-2.第六類「酸化性液体」との違い

第一類「酸化性固体」と同じ性質を持つ危険物に、第六類「酸化性液体」があります。

違いは物質の状態が「固体か」「液体か」が分類の基準となり、常温(1気圧・20℃)で固体なら第一類、液体なら第六類に分類されます。

2.第一類「酸化性固体」の主な種類 一覧

第一類「酸化性固体」の主な種類は以下のとおりです。

【第一類「酸化性固体」の主な種類 一覧】
品名 代表的な物質 性質(指定数量) 特記事項
塩素酸塩類 塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム など 第一種(50kg) 可燃物と混ざると爆発的に燃焼しやすい
過塩素酸塩類 過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム など 第一種(50kg) 強い酸化力をもち、加熱で分解しやすい
無機過酸化物 過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム など 第一種(50kg) 水と反応して発熱・発火するものがある
亜塩素酸塩類 亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム など 第二種(300kg) 酸と反応すると有毒ガス(塩素系)を発生
臭素酸塩類 臭素酸カリウム、臭素酸マグネシウム など 第二種(300kg) 可燃物との接触で燃焼を強く促進する
硝酸塩類 硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム など 第二種(300kg) 加熱・衝撃で爆発するおそれがある
よう素酸塩類 よう素酸カリウム、よう素酸亜鉛 など 第二種(300kg) 加熱で分解し酸素を発生するおそれがある
過マンガン酸塩類 過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム など 第三種(1,000kg) 有機物と接触すると発火するおそれがある
重クロム酸塩類 重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム など 第三種(1,000kg) 加熱で激しく分解(火山のような反応)する
その他(政令指定) 亜硝酸塩類、次亜塩素酸塩類 など 第三種(1,000kg) 物質ごとに性質が異なるため個別に注意する

参考:危険物保安技術協会|危険物関係用語の解説「第12回 : 第一類 酸化性固体」

2-1.「種別」と「指定数量」について

表にある「種別」と「指定数量」は、その物質がどの程度危険かを示す目安です。
一般的に危険性が高い物質ほど指定数量は少なくなり、より厳しい管理が必要になります。

酸化性固体の第一種〜第三種の区分と指定数量は、以下のとおりです。

酸化性固体の区分と指定数量

  • 第一種酸化性固体(指定数量50kg):最も危険性が高い
  • 第二種酸化性固体(指定数量300kg):中程度の危険性
  • 第三種酸化性固体(指定数量1,000kg):比較的危険性が低い

上記区分は燃焼試験や打撃感度試験などの結果をもとに定められます。

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3.危険物第一類「酸化性固体」の保管(貯蔵)の方法について

第一類危険物を安全に保管するうえで大切なのは、熱・衝撃・摩擦・水分など分解や反応につながる要因を避けることです。

具体的には以下のとおりです。

基本的な保管ルール

  • 直射日光を避け、換気の良い冷暗所に保管する
  • 火気・高温体から遠ざけ、加熱・衝撃・摩擦を与えない
  • 可燃物・有機物(木材・紙・布など)と同じ場所に保管しない
  • 強酸との接触を避ける
  • 容器は密封し、破損・腐食のないものを使用する
  • 潮解性のある物質(硝酸塩類の一部など)は、湿気を避けて保管する

なお、危険物全体の保管(貯蔵)については、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

3-1.無機過酸化物を保管(貯蔵)する際の注意点

第一類危険物のうち、過酸化カリウムや過酸化ナトリウムなどの一部の無機過酸化物は、水や湿気と反応して発熱し、酸素を発生するおそれがあります。

そのため、水分・湿気を避け、密封容器で冷暗所に保管します。
また、可燃物や有機物と接触しないよう分けて管理し、水と反応するものについては「禁水」の表示を設けましょう。

物質ごとの性質は、安全データシート(SDS)などで確認することが重要です。

4.危険物第一類「酸化性固体」の消火方法について

第一類危険物の火災では、一般的な火災とは少し異なる点があります。
燃えているのは第一類危険物そのものではなく、第一類危険物が放出した酸素によって、周囲の可燃物が燃えているからです。

そのため、消火の基本は「酸化性物質の温度を下げて酸素の放出を止めること」となり、具体的には以下のとおりです。

消火方法

  • 大量の水をかけて、酸化性物質の温度を分解温度以下に下げる
  • 酸素の放出を止めることで、周囲の可燃物の燃焼を抑える
  • 必要に応じて、周囲の可燃物にも注水して延焼を防ぐ

ただし、第一類の中でも無機過酸化物は例外です。
水と反応しやすいため、通常の第一類と同じ方法では消火できません。

4-1.無機過酸化物を消火する際の注意点

一部の無機過酸化物は水と反応して酸素を発生し、火災を拡大させるおそれがあります。

したがって、

  • 水・泡消火剤は使用しない
  • 乾燥砂または炭酸水素塩類の粉末消火剤で窒息消火する

といった対応が必要になります。
実際の対応は、安全データシート(SDS)や関係法令、消防機関の指示に従いましょう。

5.危険物第一類「酸化性固体」を輸送する際の注意点

危険物第一類「酸化性固体」を輸送する際は、特に下記の点に注意が必要です。

危険物第一類「酸化性固体」を輸送する際の注意点

  • 衝撃や摩擦を避ける
  • 直射日光や水分を避ける
  • 他の危険物との混載可否を確認する

以下、それぞれの注意点について解説します。

なお、危険物の輸送には「容器・積載・混載・表示・消火器」などさまざまなルールがあり、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

注意点①|衝撃や摩擦を避ける

第一類の酸化性固体は可燃物と混ざった状態で衝撃や摩擦を受けると、分解して酸素を一気に放出し、爆発的な燃焼につながるおそれがあります。

そのため、輸送中は容器に強い衝撃や摩擦が加わらないように

  • 急ブレーキ・急発進・急カーブは避ける
  • 路面の悪い道はできるだけ避ける
  • 容器が動かないようにしっかり固定する
  • 容器同士がぶつからないよう、緩衝材や仕切り板を使用する

といった対策は必要です。

注意点②|直射日光や水分を避ける

第一類には、直射日光を避ける「遮光」が必要です。
また、無機過酸化物(過酸化カリウム・過酸化ナトリウムなど)を輸送する場合は、水分との接触も避けなければなりません。

したがって、輸送の際は

  • 直射日光を避け、荷台の温度上昇を防ぐ
  • 雨水が入らないよう、防水対策を行う
  • 雨天時は、幌のない車両での輸送を避ける

といった対策が必要です。

注意点③|混載できるか事前に確認する

危険物の混載(異なる種類を同じ車両に積むこと)は、多くの組み合わせで禁止されています。

第一類が混載できるのは、6つの類のうち「第六類(酸化性液体)」のみで、第二類〜第五類と接触すると発火・爆発の危険があるため、混載できません。

そのため、積載前には、他の危険物と一緒に運べるかどうかを必ず確認する必要があります。


サクラ運送は危険物輸送の専門業者として、危険物第一類「酸化性固体」の性質に応じた適切な輸送に対応しています。
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