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【わかりやすく解説】危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

【わかりやすく解説】危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

本記事では、消防法で定められている危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」について、性質や種類・指定数量、注意点などをわかりやすく解説します。

なお、「危険物の種類」については下記記事をご覧ください。

1.危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」とは

危険物第三類 自然発火性物質及び禁水性物質とは

消防法で第三類に分類される「自然発火性物質及び禁水性物質」とは空気中で自然発火する危険性がある、または水と接触して発火したり、可燃性ガスを発生させたりする固体・液体です。

  • 自然発火性物質:空気中で自然発火しやすい固体または液体
  • 禁水性物質:水に触れると発火する、または可燃性ガス(水素など)を発生する固体または液体

第三類の危険物は自然発火性と禁水性の両方をあわせもつ物質が多く、取り扱いには十分な注意が必要です。

1-1.危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の区分

第三類危険物は法律上、品名が定められている物質と確認試験の結果によって第一種・第二種・第三種に区分される物質があります。

【第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な区分】
区分 概要
第一種自然発火性物質及び禁水性物質 自然発火性試験で発火する、または水との反応性試験で発生するガスが発火するもの
第二種自然発火性物質及び禁水性物質 自然発火性試験でろ紙を焦がす、または水との反応性試験で発生するガスが着火するもの(第一種以外)
第三種自然発火性物質及び禁水性物質 第一種・第二種以外で、試験により一定の危険性(可燃性ガス発生量など)が認められたもの
確認試験が不要なもの カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りん

第三類危険物は、空気に触れると自然に燃えるものや、水に触れると発火するもの、燃えやすいガスを発生するものもあります。

カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りんなど指定されている物質を除いて、危険性の高さに応じて、第一種・第二種・第三種に分類されます。

1-2.第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な性質

第三類の主な性質は以下のとおりです。

【第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の性質】
性質 説明
空気に触れると自然発火する 空気に触れただけで自然に燃え出すものがあるため、空気との接触を避ける必要がある。
水に触れると発火する 水との接触によって激しく反応し、発火するものがある。
水に触れると可燃性ガスを発生する 水と反応して、水素などの燃えやすいガスを発生する。発生したガスに火がつくと、火災や爆発につながるおそれがある。
空気と水の両方に反応する 第三類危険物には、空気に触れると発火し、水に触れても発火または可燃性ガスの発生につながるものがあります。
火炎・火花・高温に注意が必要 火炎や火花、高温の物体との接触、加熱などによって発火するおそれがある。
容器の密閉や保護液による管理が必要 空気や水分との接触を防ぐため、密閉した容器や保護液の中で保管する。容器の破損・腐食や、保護液の減少に注意する。
水を使って消火できないものがある 禁水性物質に水・泡をかけると、発火や可燃性ガスの発生を招くおそれがある。適切な消火方法は物質によって異なる。

第三類危険物は、すべての物質が空気と水の両方に反応するわけではありません。

自然発火性のみを持つもの、禁水性のみを持つもの、両方の性質を持つものがあるためです。

取り扱う際は、対象物質が空気と水のどちらに反応するのかを把握したうえで、事前にSDSを確認し適切な保管方法や消火方法を把握しておきましょう。

特に禁水性物質の火災では、水をかけると可燃性ガスの発生で火災が大きくなる可能性があるため、乾燥砂など、物質に適した方法で消火する必要があります。

2.第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な種類 一覧

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な種類は以下のとおりです。

【第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な種類 一覧】
代表的な物質 指定数量 特記事項
カリウム 10kg 空気に触れると発火しやすく、水と激しく反応する
ナトリウム 10kg 水と激しく反応し、発火や可燃性ガスの発生につながるおそれがある
アルキルアルミニウム 10kg 液状で、空気に触れると自然発火し、水とも激しく反応する
アルキルリチウム 10kg 液状で、空気や水分との接触によって発火するおそれがある
黄りん 20kg 空気に触れると自然発火するため、通常は水中で保管される
アルカリ金属及びアルカリ土類金属

・リチウム
・カルシウム
・バリウム
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
水と反応して、発火したり可燃性ガスを発生させたりする
有機金属化合物

・ジエチル亜鉛
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
空気や水分との接触によって発火する
金属の水素化物

・水素化ナトリウム
・水素化リチウム
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
水と反応して可燃性ガスを発生するおそれがある
金属のりん化物

・りん化カルシウム
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
水と反応して、有毒・可燃性のガスを発生するおそれがある
カルシウムまたはアルミニウムの炭化物

・炭化カルシウム
・炭化アルミニウム
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
水と反応して可燃性ガスを発生する
その他の政令で定めるもの

・トリクロロシラン
など

第一種(10kg)
第二種(50kg)
第三種(300kg)
水分との接触によって激しく反応し、発熱・発火するおそれがある

※は確認試験の結果によって異なる
参考:危険物保安技術協会| 危険物関係用語の解説「第14回:第三類 自然発火性物質及び禁水性物質」

2-1.第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の指定数量について

指定数量とは、消防法による規制を受ける基準となる数量です。
第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の指定数量は、以下のとおりです。

【第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の指定数量】
区分 指定数量
第一種自然発火性物質及び禁水性物質 10kg
第二種自然発火性物質及び禁水性物質 50kg
第三種自然発火性物質及び禁水性物質 300kg
カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム 10kg
黄りん 20kg

危険性が高いものほど指定数量が少なく設定されており、同一の場所で指定数量以上を貯蔵または取り扱う場合は、原則として市町村長などの許可を受けた危険物施設で管理する必要があります。

なお、「危険物の指定数量」については下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

サクラ運送に「高圧ガス・危険物の輸送」を相談・依頼する

3.危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の保管(貯蔵)方法について

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」を安全に保管するには、火気や高温、空気、水分、酸化剤との接触を避けることが重要です。
具体的には以下のとおりです。

基本的な保管ルール

  • 直射日光・高温を避け、換気の良い冷暗所に保管する
  • 容器を密閉して、空気や湿気・雨との接触を防ぐ
  • 法令やSDSに従い、反応するおそれのある危険物と分けて保管する
  • 適切な容器を使用し、破損や飛散を防ぐ

なお、危険物全体の保管(貯蔵)については、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

4.危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の消火方法について

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の消火方法は物質の性質によって異なり、主に以下3つに分かれます。

【第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の主な消火方法】
物質 消火方法
すべての第三類危険物 乾燥砂・膨張ひる石・膨張真珠岩などで覆い窒息消火する
水と反応する禁水性物質 水・泡などの水系消火剤を避け、乾燥砂や禁水性物質に対応した消火剤など、対象物質に適した方法で消火する
禁水性を持たない自然発火性物質(黄りんなど) 水・泡などを使用し、冷却消火する

特に禁水性物質に水系の消火剤を使用すると、発火や可燃性ガスの発生につながり、火災が拡大するおそれがあります。

一方、黄りんなどは、水などによる冷却消火が有効です。

対象物質によって適切な消火方法が異なるため、事前にSDSを確認するとともに、火災時は安全な場所へ避難し、消防機関の指示に従いましょう。

5.危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」を輸送する際の注意点

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」を輸送する際は、特に下記の点に注意が必要です。

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」を輸送する際の注意点

  • 容器の転倒・破損や漏えいを防ぐ
  • 火気・高温・空気・水分を避ける
  • 混載できる危険物を事前に確認する

以下、それぞれの注意点について解説します。

なお、危険物の輸送には「容器・積載・混載・表示・消火器」などさまざまなルールがあり、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

注意点①|容器の転倒・破損や漏えいを防ぐ

輸送中に容器が転倒・破損すると、内容物が漏れたり、空気や水分との接触で発火したりするおそれがあります。
そのため、以下の対策が必要です。

主な対策

  • 危険物の性質に適した運搬容器を使用する
  • 容器を荷台にしっかり固定する
  • 容器同士がぶつからないよう積載する
  • 容器に強い衝撃を与えない
  • 容器を密閉し漏えいを防ぐ

注意点②|火気・高温・空気・水分を避ける

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」には空気に触れると自然発火するものや、水に触れると発火したり、可燃性ガスを発生させたりするものがあります。
対象物質の性質に応じて、空気や雨水、湿気が入らないよう、密閉・防水対策を行いましょう。

そのため、以下の対策が必要です。

主な対策

  • 火気や高温になる設備から遠ざける
  • 直射日光による温度上昇を防ぐ
  • 雨水が入らないよう荷台を覆う
  • 容器を確実に密閉する
  • 対象物質のSDSに記載された条件を守る

注意点③|混載できる危険物を事前に確認する

危険物の混載(異なる危険物を同じ車両に積むこと)は、多くの組み合わせで禁止されています。

第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」は、第四類「引火性液体」と混載できます一方で、第一類・第二類・第五類・第六類との混載は、原則として認められていません

ただし、混載の可否は数量や容器、物質の性質などによって異なるため、積載前に法令やSDSを確認しましょう。

参考:危険物の規制に関する政令|第二十九条

サクラ運送は危険物輸送の専門業者として、危険物第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」の性質に応じた適切な輸送に対応しています。
第三類「自然発火性物質及び禁水性物質」など危険物の輸送についてお困りの方は、ぜひサクラ運送へご相談ください。

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