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【わかりやすく解説】危険物第四類「引火性液体」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

【わかりやすく解説】危険物第四類「引火性液体」とは|性質や種類一覧、輸送時の注意点等について

本記事では、消防法で定められている危険物第四類「引火性液体」について、性質や種類・指定数量、注意点などをわかりやすく解説します。

なお、「危険物の種類」については下記記事をご覧ください。

1.危険物第四類「引火性液体」とは

危険物第四類「引火性液体」とは

消防法で危険物第四類に分類される「引火性液体」は、

「液体から発生した可燃性の蒸気が、火気に触れると引火する性質を持つ液体」のことです。

常温で蒸発しやすく引火しやすいガソリンやアルコール、加熱すると引火する重油などが引火性液体に分類されます。

以下に、その性質を解説します。

1-1.危険物第四類「引火性液体」の性質

引火性液体の主な性質は以下のとおりです。

【第四類「引火性液体」の性質】
性質 概要
引火しやすい 燃え出す温度が低いものが多く、わずかな火気でも引火するおそれがあります。
蒸気が発生しやすい ガソリンやアルコール類など、蒸発しやすいものは常温でも可燃性蒸気を発生します。
蒸気が空気と一定の割合で混ざると、火花や静電気の放電などによって引火するおそれがあります。
蒸気は空気より重い 引火性液体の蒸気は空気より重いため、床面や排水溝など低い場所へ流れて溜まります。
作業場所から離れていても、蒸気が流れて滞留した先に火気があると引火するおそれがあります。
水に浮くものが多い 引火性液体には、ガソリンや灯油など、水より軽く水に溶けにくいものが多くあります。
したがって、燃えている引火性液体が水面に浮いて流れ出すと、火災が広がります。
ただしアルコール類のように、水に溶けるものもあります。
静電気が溜まりやすい ガソリンや灯油など、電気を通しにくい引火性液体では、静電気が蓄積し、放電火花が着火源になることがあります。

1-1-1.「引火点」とは

引火のしやすさは、「引火点」という数値で表されます。
引火点とは、「液体から発生した蒸気に火を近づけたとき、引火する最低の液温」のことです。

引火点が低いほど、常温でも引火しやすく危険性が高いと判断できます。
以下は代表的な引火性液体の引火点を、引火しやすい順に並べたものです。

【代表的な引火性液体の引火点】
物質 引火点の目安
ガソリン −40℃以下
エタノール 約13℃
灯油 40℃以上
軽油 45℃以上

引火点は、消防法における分類の基準のひとつにもなっています。
(アルコール類は別の基準で分類されます)

2.危険物第四類「引火性液体」の種類 一覧

第四類「引火性液体」は、以下の7つに分類されます。

【第四類「引火性液体」の種類 一覧】
品名・代表的な物質 分類基準 指定数量 注意点
特殊引火物

・ジエチルエーテル
・二硫化炭素
など

発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下 50L 発火点が低い、または引火点と沸点が低く、第四類の中でも特に危険性が高い
第一石油類

・ガソリン
・アセトン
・トルエン
など

引火点21℃未満 非水溶性
200L
水溶性
400L
常温でも引火するおそれがあり、加熱していなくても注意が必要
アルコール類

・メタノール
・エタノール
など

炭素数1〜3の飽和一価アルコール(変性アルコールを含む) 400L 水に溶けるため、泡消火剤を使用する場合は耐アルコール泡が必要
第二石油類

・灯油
・軽油
・酢酸
など

引火点21℃以上70℃未満 非水溶性
1,000L
水溶性
2,000L
第一石油類より引火点は高いものの、液温が上がると引火の危険性が高まる
第三石油類

・重油
・グリセリン
など

引火点70℃以上200℃未満 非水溶性2,000L
水溶性4,000L
引火点は比較的高いものの、加熱して使用する場合は温度管理が重要
第四石油類

・ギヤー油
・シリンダー油
など

引火点200℃以上250℃未満 6,000L 引火点は高いものの、加熱・高温時の取り扱いには注意が必要
動植物油類

・ヤシ油
・アマニ油
など

引火点250℃未満 10,000L アマニ油など一部の油がしみ込んだ布は、自然発火するおそれがある

※「発火点」とは火を近づけなくても、温度が高くなるだけで燃え出す最低温度のことです。

参考:総務省消防庁|危険物の規制に関する法令(別表第一)
参考:危険物の規制に関する政令|別表第三(第一条の十一関係)

2-1.指定数量について

指定数量とは、危険物の種類ごとに定められた、貯蔵・取り扱いに関する消防法上の規制の基準となる数量です。

引火性液体の指定数量は、上の表で記載したように、種類や水溶性の有無によって50L〜10,000Lと定められています。

数量ごとの主な規制は以下です。

【数量ごとの主な規制】
扱う量 主な規制
指定数量の1/5未満 指定数量未満の危険物として、市町村の火災予防条例などに従って貯蔵・取り扱います。届出の要否や基準は自治体によって異なります。
指定数量の1/5以上~指定数量未満 多くの自治体では「少量危険物」として、届出や貯蔵・取り扱いに関する基準が設けられています。
指定数量以上 原則として、市町村長等の許可を受けた危険物施設で貯蔵・取り扱う必要があります。

指定数量については、下記記事でわかりやすく解説しています。あわせてご確認ください。

2-2.危険等級について

危険物には、指定数量とは別に「危険等級」も定められています。

危険等級とは、危険性の高さを3段階で示した区分です。
運搬容器の基準などに使われます。

第四類「引火性液体」の危険等級は、以下のとおりです。

【第四類「引火性液体」の危険等級】
危険等級 品名
危険等級Ⅰ 特殊引火物
危険等級Ⅱ 第一石油類、アルコール類
危険等級Ⅲ 第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類

数字が小さいほど危険性が高く、危険等級Ⅰが最も危険です。

容器の材質、内装・外装の区分に応じて、使用できる容器や最大容積が法令で定められているので、輸送前に確認しましょう。

参考:危険物の規制に関する規則|第三十九条の二

2-3.身近な製品に使われる引火性液体

引火性液体は、日常的に使われている製品にも数多く含まれています。

引火性液体を含む主な製品

  • ガソリン、灯油、軽油(自動車燃料、暖房器具の燃料)
  • 消毒用アルコール
  • シンナー、塗料、接着剤など
  • 化粧品(化粧水、ヘアスプレー、香水、除光液など)

上記の製品には、成分や濃度、引火点などによって消防法上の危険物に該当するものがあります。
SDSなどで確認しましょう。

2-4.GHSにおける区分について

引火性液体は、消防法とは別の基準で、GHSでも区分される場合があります。

GHSとは、化学品の危険性・有害性を世界共通のルールで分類し、ラベルやSDS(安全データシート)で伝えるための仕組みです。

違いを以下で解説します。

2-4-1.GHSと消防法の違い

GHSと消防法では、以下のように分類の基準が異なります。

【GHSと消防法の違い】
項目 GHS 消防法
目的 危険有害性の情報を世界共通の基準で伝える 火災の予防・警戒・鎮圧
引火性液体の定義 引火点93℃以下の液体 政令で定める試験で引火性を示す液体
分け方 区分1〜4の4段階 特殊引火物〜動植物油類の7分類

2-4-2.GHSにおける引火性液体の区分

GHSでは、引火点と初留点によって引火性液体が4つに分類されます。

初留点とは、「液体を加熱したときに最初に沸騰し始める温度」のことです。

GHSにおいて、引火性液体は以下のように区分されます。

【GHSにおける引火性液体の区分】
区分 条件 代表的な物質
区分1 引火点23℃未満、かつ初留点35℃以下 ジエチルエーテルなど
区分2 引火点23℃未満、かつ初留点35℃超 ガソリン、アセトン、トルエン など
区分3 引火点23℃以上60℃以下 灯油、軽油、キシレン など
区分4 引火点60℃超93℃以下 一部の重油、潤滑油 など

自社で扱う製品がどの区分に該当するかはSDSなどで確認しましょう。

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3.危険物第四類「引火性液体」の保管(貯蔵)方法について

引火性液体を安全に保管するには、火気・加熱・静電気・蒸気の滞留を避けることが基本になります。

主な保管方法は以下のとおりです。

第四類「引火性液体」の基本的な保管方法

  • 火気や加熱を避ける
  • 容器は密栓し、直射日光の当たらない冷暗所に保管する
  • 容器や設備を接地し、静電気を逃がす
  • 換気を行い、蒸気を滞留させない

温度が上がると液体は膨張するため、容器は満杯にせず密栓しましょう。

参考:危険物保安技術協会|危険物関係用語の解説(第15回)

危険物全般の保管方法については、下記記事もあわせてご確認ください。

3-1.動植物油類を保管(貯蔵)する際の注意点

動植物油類の中には、条件によって自然発火するものがあります。

アマニ油などがしみ込んだ布を積み重ねたまま放置すると、酸化によって熱がこもり、自然発火する場合があるので、油がしみ込んだ布は、水に十分浸すなど適切に処理しましょう。

4.危険物第四類「引火性液体」の消火方法について

引火性液体の火災では、消火方法を誤ると被害が拡大するおそれがあります。

したがって、以下のような消火方法を行う必要があります。

【引火性液体の消火方法】
引火性液体の種類 消火方法
水に溶けないもの(ガソリン、灯油など) 泡・粉末・二酸化炭素などによる窒息消火
水に溶けるもの(アルコール類など) 泡消火剤を使用する場合は、耐アルコール泡を使用

基本となるのは、酸素の供給を断つ窒息消火です。
燃焼には酸素が必要なため、泡などで液面を覆って空気を遮断します。

アルコール類のように水に溶ける液体には、通常の泡消火剤では膜が保てません。
泡に含まれる水分が液体に吸い取られてしまうため、水に溶けにくい膜を張る「耐アルコール泡」を使います。

実際の火災では、対象物質のSDSを確認し、消防機関の指示に従いましょう。

5.危険物第四類「引火性液体」を輸送する際の注意点

第四類「引火性液体」を輸送する際は、特に下記の点に注意が必要です。

引火性液体を輸送する際の注意点

  • 輸送中の火災を防ぐ対策をとる
  • 混載できる危険物を事前に確認する

以下、それぞれの注意点について解説します。

なお、危険物の輸送には「容器・積載・混載・表示・消火器」など様々なルールがあり、下記記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

注意点①|輸送中の火災を防ぐ対策をとる

輸送中の荷台は直射日光で温度が上がりやすく、蒸気が発生しやすい状態になります。

そのため、次のような対策が欠かせません。

輸送時の主な対策

  • 直射日光を避け、荷台の温度上昇を防ぐ
  • 積み下ろし時の静電気対策を行う
  • 容器を密栓し、漏えいを防止する

参考:危険物の規制に関する政令|第三十条

注意点②|混載できる危険物を事前に確認する

危険物の混載は、類の組み合わせによって可否が定められています。

危険物第四類「引火性液体」は、第二類・第三類・第五類と混載できます。
一方で、第一類・第六類との混載は、原則として認められていません。

第一類と第六類はいずれも酸化性の危険物であり、可燃物である第四類と混ざると激しく反応するおそれがあるためです。

ただし、混載の可否は数量や容器、物質の性質などによって異なるため、積載前に法令やSDSを確認しましょう。

参考:危険物の規制に関する規則|第四十六条

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